創業昭和21年。ここは一応営業PM11:00までとなっているが、終電を気にせず時間と心に余裕がある人は是非とも深夜に行ってみて欲しい。 実はそこからが、『クンパルシータ』が開幕すると言っても過言ではない。夜中に珈琲が飲みたい人の為だけに設けられた特別な時間が今、始まる。 訪れた時はすでに閉店時間をとっくに過ぎていた。そのことを知らない私がここに入ったのは運命(偶然?)としかいいようがない。 店内には耳に心地よいタンゴが流れ、ゆったりとした空間が流れている。「誰もいないので閉店かな?」と佇んでいると、店の奧から少し腰の曲がったマダムがひょこっと出てきて「どうぞ」と声をかけられた。 御歳90歳とは思えない程、軽快によく喋べる方なので、注文するまでも時間がかかるが、注文してからは一時間以上経ってから出てくる。もしかして忘れ去られているのではないかと心配するので、初めて行く人は充分に覚悟して欲しい。
お盆に乗せられた珈琲を運んでくれるが、流石は元祖タンゴ娘。その絶妙(?)なバランス。こぼれそうでこぼれない。しかし、危なかしくて見ていられず、思わず「運びましょうか」と声をかけたところ、丁重に断られた。 却って邪魔になってしまったらしい…。 「夜中に立ち寄ってくださる方だけの為に、特別に店を開けて私ひとりでやらせてもらってるんですわ」とマダムは語る。 とても可愛らしい方で、珈琲を飲んでいる間、ずっと昔の話や開店当時のお話をされていた。 そうして点ててくれた珈琲は長い間待たされるだけあって、キレがあり、馬鹿にできない旨さ。そしてどこか上品で丁寧な味。マダムのこだわりが伺える。 (@まけ)
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