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築 地
欧羅巴の香り漂う アンティークな空間で…
昭和9年創業のこの店は、路地の一角にひっそりと佇んでいる。昼間は少し眠そうな感じさえする。しかし、夕暮れ時になると一変する。ランプや小さな窓からもれる灯りに、いきいきと浮かびあがる。
矢羽根のように木片を埋め込んだ床が少し凸凹していて歴史を感じさせる。磨かれて黒光りする家具や壁。銀製のサモワール、アンティークの時計、マントルピース。柔らかな光を放つランプ。全てが、在るべき場所にある。どれ一つ欠けても、この空間は成り立たないと思った。骨董好きには堪らない。 06年冬、久し振りに訪れた。意外にも、この日が“築地デビュウ”の@まけと一緒である。彼女の母上も大の珈琲好きで、この店によく行っていたというのに、ホントに意外。 彼女は、入り口脇の雰囲気のあるアンティークのソファーが、とても気に入ったようだ。 「いやぁ〜、こんなとこにステキなソファーがあるぅ!」 と大はしゃぎしていた。 「一度でええし、珈琲飲みながら横たわりたい!」 いいっすね、それ。
珈琲を注文した。この店で『珈琲』と言えば『ウインナーコーヒー』のこと。少し苦めの珈琲にフワッフワのクリームの泡。添えられた角砂糖を入れてクルクルとかき混ぜるとシュワシュワと、儚く消えていく。
ギシギシと軋む階段を上っていると、長旅の途中、やっと辿り着いた旅人が宿屋の部屋に案内されているみたい…という映像が浮かんできたとか。 想像力を刺激する、というのも「いい店」の条件では? と個人的に思っている。 父もお気に入りだったこの店は、その当時から、いや創業当初からずっと変わらずにそこに「在る」のだろう。訪れると、いつも「変わらずに在り続けることの凄さ」を感じる。実際は時代に合わせて少しずつ変化しているのだろうが、それを感じさせない。 ずっと変わらずに在り続けて欲しい。 (@くみ) |
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